なんでもシステム管理者(日本酒大好き!)

システム管理者兼何でも屋をやってます!日本酒にはこだわりを持ってます。多趣味ですが、その時間がなかなか取れないという悩みが・・・

味は変わります!!!(怒)

今朝、テレビで残念なニュースを見ました。

xx正宗という酒蔵で安酒に大吟醸のラベルを貼ったり、純米酒にアル添(醸造用アルコールを添加する事)して販売していたとのこと。

そこの社長(蔵元とは呼びたくありません)曰く、「混ぜても味が変わらないなら問題ないだろうと、その場しのぎでやってしまった。ラベルの貼り替えも、顧客離れを避けたかったから。反省している」とのことだが、冗談じゃぁ、ありません!!!変わらん訳ないでしょう。その違いが分からん奴に日本酒を造る資格はない。そもそも、人が口にするものを偽装して販売する輩に商売をする資格はないと思います。

 

このニュースを見て、20年以上前に読んだ「夏子の酒」の1シーンを思い出しました。それは、夏子が東京から実家の蔵に戻った間もない頃だったと思いますが、知り合いだったか親戚の他の蔵に行った際に、そこの社長から「おたくの純米酒はアル添何%ですか?」とニヤニヤしながら聞くというシーンでした。言うまでもなく、「純米酒」とは米だけで作られているお酒です。つまり、アル添されているわけなく、醸造用アルコールは0%なんです。つまり、偽装ということです。20年以上前の漫画の1シーンに過ぎないかもしれませんが、私にとっては衝撃の事実でした。

そして、その数年後、アル添純米酒を実際に目の当たりにしました。とあるチェーン店の居酒屋でのことです。本当は地酒専門の店に行くつもりだったのですがお休みだったので、急きょその店に入ることになりました。その店のメニューを見ると、そのチェーン店のプライベートブランドの純米酒があったので、取りあえず注文したのですが・・・、一口飲んだとたん分かりました。アル添です。醸造用アルコールに関しては賛否両論あり、嗜好によるところもあるかと思いますので、全否定はしません。が、純米酒は純米でなければならない。醸造用アルコールは一適たりとて、入っていてはいけないんです。もちろん、分析などしたわけではないので物的証拠など何もありません。私の五感のみですが、その直感に自信を持っています。その後、二度とそのチェーン店に足を運んでいませんし、これからもないでしょう。

それから、長い年月が経って、今こんなニュースを耳にするとは・・・。残念ながら、この手のニュースは氷山の一角でしょう。

しかし、日本酒業界全てがこんなことをしているわけではありません。自分自身が直接知っている酒蔵はごくわずかですが、熱意を持って旨い酒を造っています。20数年前も地酒ブームがあり、特定銘柄がプレミア価格がつけられてもてはやされた時期もありましたが、そういった過渡期を経て、本物の日本酒の時代が来ていると感じています。特に同世代の方が蔵元を継がれたり、杜氏が替わったりして、古い時代の負のしがらみのない造り手によって、旨い酒が全国で醸されていると思います。

昔の「米どころ、水どころに旨い酒あり」という考えはもうすでに古く、やる気のある作り手がいれば、旨い酒ができる。そういう時代なんだと思います。蔵の数は20年前に比べれば、確かに減ったでしょう。おこがましい言い方であると思いますが、ある意味、それは淘汰されたのだと私は考えています。

酒が旨いのは当たり前、その日の気分や料理、自分の嗜好に合わせて、酒のタイプを安心して選べる、そんな時代が来てほしいと願っています。