場所は栄えある連邦の艦のラウンジ。今回の任務を終えた艦は休暇と艦のメンテナンスのために母港のある地球に向かっている。
艦長「やぁ、このラウンジで君が見れるのも今日が最後だね。寂しくなるよ。」
ラウンジのバーテンダー「まぁ、艦長たら、本当は私の後釜に若い子が入るので楽しみなんじゃないの?」
艦長「いやいや、そんなことはないよ。それよりも君が時折こっそりと持ち込んだ本物の酒がもう飲めなくなるのが残念だよ。」
ラウンジのバーテンダー「私よりもお酒が残念なのね? でも艦長がそんなこと言っていいのかしら?」
艦長「大丈夫だよ。さすがに連邦以外との境界付近では本気で酔う訳にはいかないけれど、連符のど真ん中だったら、ちょっかいをかけてくるのはQぐらいなもんさ。Q相手だったら酔っぱらって相手するのがちょうどいいんだよ。ところで、どうして艦を降りるのが地球なんだい?」
ラウンジのバーテンダー「まぁ、私には帰るべき母星はないし、地球には本物のSAKEがあるからよ。」
艦長「SAKE?」
ラウンジのバーテンダー「そう、SAKEよ。地球の日本という昔小さな島国だった地方ではるか昔から醸されているSAKE、”Ni・Ho・N・Shu”よ。この”Ni・Ho・N・Shu”というのは、ライスを原料にして醸造されているんだけれども、その味わい、香りの深さは高級なワインにも勝るとも劣らない物があるの。”Ni・Ho・N・Shu”にはいろいろな種類があるけれど、中には白ワインに通じるものもあるわ。」
艦長「”Ni・Ho・N・Shu”か、名前は聞いたことがあるが飲んだことはないな。それを飲むために艦を降りるのかい?」
ラウンジのバーテンダー「いいえ、違うわ。もちろん飲みもするけど、私が造るのよ! そう、KURABITOになるの。」
艦長「KURABITO?」
ラウンジのバーテンダー「”Ni・Ho・N・Shu”の作り手のことよ。いずれは、TOUJIになるつもりよ。」
艦長「TOUJIとは?」
ラウンジのバーテンダー「KURABITOのリーダーのことよ。」
艦長「艦長みたいなものだね?」
ラウンジのバーテンダー「そう、あなたはこの艦の艦長、そして私はいずれKURAの艦長になるの。」
艦長「そうか、君が艦を降りるのは残念だが、いずれ君が造った”Ni・Ho・N・Shu”を飲める日が来るのが楽しみだな。」
ラウンジのバーテンダー「昔日本の山の中のKURAで”~才の春”と言うTOUJIの年齢を冠した”Ni・Ho・N・Shu”が有ったそうなの。当時のBlogにもその味わいは絶品だったと書かれているの。今はもうそのシリーズは造られていないそうだけれども、いずれ私がTOUIJIになったら、私の年齢を冠した”Ni・Ho・N・Shu”を世に出したいと思っているの。出来上がったら、連絡するわ。」
艦長「ああっ、よろしく頼む。君の一族が長寿なのは知っているが、そういえば君の年齢は聞いたことがなかったな。」
ラウンジのバーテンダー「艦長、レディーに年を聞くものではないわよ。このエチケットは全宇宙共通なのよ。私の年齢が知りたければ、私の”Ni・Ho・N・Shu”を待つことね。」
そして翌日、地球に着いた艦から彼女は降りた。
続く・・・かも(^_^;
※トレッキーでない方には「なんのこっちゃ?」という話かと思います。これまでも創作話や夢ベースの話を書いたことがありますが、今回の話は「日本酒好きのおっちゃんが何か言うとるわ」で書かれた「星条旗のピエロ~ワープ技術が発達した未来に日本酒バーがあったらどうなるか」に触発されて書いたものです。だいぶ遅くなりましたが(^_^;