福島県の花泉酒造が醸す「口万(ろまん)」シリーズの一つ「しもふり口万 純米吟醸 うすにごり生原酒(熟成)」をいただきました。
以前、あるお店で「ゼ口万(ぜろまん)」を飲んで以来、「口万」は私のお気に入りの一つです。酒屋で見かければ購入し、居酒屋で見かければ飲んでいます。
「口万」の特徴は全銘柄が通常の三段仕込みに加え「もち米四段仕込み」になっていることだと思います。この+αのひと手間が独特のおいしさを作っているかと思います。「口万」は一年中通しで出荷されている定番商品と季節ごとに出荷されるタイプがあり、後者のうちの一つが「しもふり口万」になります。
元々は「かすみロ万」というお酒を、蔵で熟成させたのが、この「しもふりロ万」になったそうです。裏ラベルを見ると、『穏やかに時を重ねたうすにごりの生原酒は、大地に霜が降りる頃、「しもふりロ万」へと生まれ変わります。』とあります。さすが「ロ万」だけあって詩的な表現が素晴らしい!!
瓶の底にはおりが漂っています。おりが混ざらないように静かに開封して、まずは上澄みをいただきます。ほんのりと爽やかな甘みがあり、美味しい!!
次に、瓶を優しく振っておりを混ぜます。すると、優しい味わいになり、強さというか深みが高まります。飲み手によっては、それを雑味というかも知れません。でも、私はこの味わいが好きです。秋の豊穣をイメージさせる味わい。言葉ではなかなか表しきれません。しかし、あえて例えると「甘酒」の甘さのエッセンスでしょうか? 飲み干したグラスから立ち昇る香りからそう感じました。
季節ごとにいろいろな味わいを楽しませてくれる「ロ万」、これからも目が離せません。
この「ロ万」を醸す花泉酒造のことが山同敦子さんの著書「日本酒ドラマチック 進化と熱狂の時代」に書かれていますので、このお酒に興味のある方はご一読をお勧めします。
日本酒ドラマチック [ 山同敦子 ]
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