この「宝剣」というお酒は山同敦子さんの「日本酒ドラマチック 進化と熱狂の時代」を読んで知ってはいたのですが、今まで出会えず飲む機会がありませんでした。山同さんの本を読むと、その豊富なエピソードに魅了され、飲んだことのないお酒はぜひ!飲んでみたいと思いますし、知っているお酒はまた飲んでみたいと思います。
今回、出張先の酒屋さんでお酒を物色していると「宝剣」を見つけたので即座に購入しました。
さて、その味わいですが、やや辛目でしょうか。お店で購入してから時間が経っていたので常温よりやや低い程度でキンキンに冷えてはいませんでした。この温度帯がちょうど良かったかと思います。舌の上を転がせて鼻から息を出すと、少しメロンに似た香りがします。実は私、メロンが苦手なんですが、この宝剣の香りは控えめなためか嫌な感じはしませんでした。一緒に食べた枝豆、クリームコロッケ、お寿司とも良くあいます。お酒単独での強烈なインパクトは感じられなかったのですが、「これぞ、食中酒!!」という感じで、自分でセーブしなければ、気が付けば飲み干してしまった、という感じになりそうでした(^_^)
後日、自宅で冷やしてから飲んでみると、また違う顔を見せてくれました。マニアックな例えで分からない方がほとんどかも知れませんが、「ピグマリオ」の主人公クルトが持つ「大地の剣」の『戦いの剣』のような感じがしました。いわゆる西洋の剣でシュッとまっすぐに伸びた感じで切れ味がいいんです。初めに飲んだ常温に近い温度帯がおいしいタイプのお酒は私個人の経験では、冷酒にすると野暮ったいというか、もっさい感じになることが多かったのですが、この「宝剣」はそんなことがありませんでした。それで、次に「熱燗にすると、どんな顔を見せてくれるんだろう?」と興味がわき、我が家の「熱燗セット」で燗酒にしたところ、またまた違う顔を見せてくれました。先ほどの冷酒の時の「戦いの剣」が、今度は頑丈で大きな盾に変わりました。どんな物でも受け止めてしまう頑強な盾です。珍味系の肴が良く合いました(^_^)
次はどんな日本酒に出会えるか楽しみです!!
日本酒ドラマチック 進化と熱狂の時代
価格:1944円(税込、送料別)