なんでもシステム管理者(日本酒大好き!)

システム管理者兼何でも屋をやってます!日本酒にはこだわりを持ってます。多趣味ですが、その時間がなかなか取れないという悩みが・・・

いただきました!! 「ドラゴン Episode1(龍力)」

 「ドラゴン Episode1」と言うのは、お酒の銘柄として珍しいですよね。このお酒を知ったのは、通勤途中にある居酒屋の店頭の黒板で「ドラゴン Episode3」入荷しました!と書かれてるのを見たのがきっかけでした。それで「変わった名前だなぁ。どこのお酒だろう?」と調べたところ「龍力」を醸す兵庫県姫路市の本田商店のお酒でした。「ドラゴン」シリーズは龍力の新しい試みのようで、Episode1、2、3、そして赤ラベル、緑ラベルの5種類があるようです。

 で、「ドラゴン Episode1」が印象に残ったのには訳があります。現在の日本酒の多くは、少なくとも飲み手の嗜好を意識して醸されたお酒ではアル添であってもかつての三増酒のような”増量目的”ではなく、「キレ」などの効果を求めたお酒だと理解しています。事実アル添の日本酒であっても素直に「おいしい!」と感じたお酒もあります。 ただ私は「旨み」、「甘味」を好みとしています。つまりアル添系よりも純米系が私の嗜好に合っているんす。また、添加されているアルコールが廃糖蜜を原料とするという事実も良く思っていません。江戸時代の酒造りを記した童蒙酒造記では米焼酎を柱焼酎として使用していたとあります。その効果としては現代のように温度管理ができないため「腐造」と言って火落ち菌によって腐るのをアルコール度数を高めることにより防いだり、味わいとしては「キレ」をもたらしたりしたとあります。

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 純粋?な米焼酎ではありませんが、酒粕を蒸留して造ったいわゆる「粕取り焼酎」を醸造用アルコールとして使用している蔵があります。この蔵でも以前は廃糖蜜を原料とする醸造用アルコールを使用していたのですが、仕入れ先に原料について尋ねたところ、なんと回答が「分からない」だったそうです!! そんな訳の分からないものを食品に使う訳にはいかない!!とその蔵では英断されて、日本酒を絞った後の酒粕を使用して「粕取り焼酎」を自社生産されて、それを添加されています。このお話を聞いた際にも「素晴らしい」と思いましたが、さらに上手のお酒がありました。それが、今回いただいた「ドラゴン Episode1」です。

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  なんと、この「ドラゴン Episode1」で使用しているアルコールは山田錦を使用して自社生産されているのです。上の右側の写真のラベルの端に「本品は『山田錦』を原料とした自社製造のアルコールを使用することにより、味わいに深みを出しました」と書いてあります。

 それで、「どんな味わいなんだろう『ドラゴン Episode1』って?」と興味を持っていたんです。残念ながら普段通う酒屋さんには置いておらず、「いつか出会えたら飲んでみたいな」くらいに考えていました。そしてこのお酒の存在を知ってから数か月後、ちょっと遠出した際に訪れた酒屋さんで、このお酒が私を待ってくれていました。しかも最後の一本!! 少々お値段はお高めでしたが、このスペックを考えると納得できますし、今手に入れないと、ひょっとしたら二度と巡り合えないかも知れません。ですのでゲットしました。

 そして、いざ帰宅後いただきました。グラスに注ぎ香りを確かめました。一昔前に流行った?(^_^; 過度な香りではなく、上品かつきれいな香りです。そして口にふくむと・・・私の頭に一つのフレーズが流れました。『味がしゃんとし、足強く候(そうろう)』これですよね!、柱焼酎の効果は!!温度管理の可能となった現代の酒蔵では、ほぼ腐造の心配はないかと思います。(暖かい地方や低アルコール度のお酒ではその心配もあるかもしれませんが)ならば、柱焼酎の意義はやはり「味わい」なのではないでしょうか。また醸造用アルコールの添加されたお酒では、個人の感覚にも依るかと思いますが、私には「角(かど)」が感じられるんです。それがアル添酒を避ける理由の一つでもあるのですが、この「ドラゴン Episode1」にはそんな角は一切感じられません。う~ん、素晴らしい!!

 そして先日、ある日本酒の会の際に酒友にも、このお酒を飲んでもらいました。と言うのも、私は飲む前から、このお酒のスペックを知っており、かなりの思い入れがありましたので、「思い込み」かも知れないからです。ですので、このお酒の銘柄もスペックも何も伝えずに飲んでいただき、その感想を聞きました。その結果は、私の感じたものと同様で、一言で言うと「きれい」でした。中には、これ相当高いのでは?と言われた方もいて実際の値段を伝えると、もっと高いかと思った、とのことでした(^_^)

 

 日本酒を醸す蔵は、だいぶ減ったようですが、こういうチャレンジをして結果を残す蔵があるので、まだまだ日本酒の世界も捨てたものではありませんね!!

次はコストを抑えた米焼酎で安価なタイプにもチャレンジして欲しいなぁ、と思ったりします。酒税法も改正して米焼酎を添加して醸したお酒の事は「真・本醸造」としてはどうでしょうか!!

 

参考情報 一升瓶:¥5,250

 

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