なんでもシステム管理者(日本酒大好き!)

システム管理者兼何でも屋をやってます!日本酒にはこだわりを持ってます。多趣味ですが、その時間がなかなか取れないという悩みが・・・

行ってきました!! 「醴泉(れいせん)を醸す玉泉堂 酒蔵見学」

 先日、「由紀の酒」の明さんからお誘いを受けて、岐阜県養老町にある玉泉堂に酒蔵見学に行ってきました。

 玉泉堂さんの元々の銘柄は「美濃菊」ですが、今では「醴泉」の蔵というイメージが強いかと思います。私自身、「醴泉」の銘柄を最初に知りました。

f:id:shimonof13:20190220221214p:plain

 蔵は養老電鉄の美濃高田駅から徒歩5分ほどの所にあります。蔵に到着して、まず会議室で山田社長と前杜氏の後藤相談役のお話を聞かせていただき、その後、後藤さんに蔵の中を案内していただきました。

 

 初めに敷地内の精米場に行きました。現在稼働させている精米機は2台ありました。その精米機の前で後藤さんの細かな説明を聞かせていただき、疑問に思ったことを尋ねると丁寧に答えていただきました。今回の見学はマニア揃いのためコアな質問が飛び交い長らく精米機の前にいました。
 これまでも蔵見学で精米機を見せていただいたことはありますが、これほど丁寧に、かつ長時間、説明を受けたことはなく、いろいろと勉強になりました。

f:id:shimonof13:20190220221243p:plain


 下の写真は精米機で出た糠(ぬか)を分別している機械です。精米の各段階で出てくる糠の質が異なるので、家畜の飼料、肥料、菓子の原料にと使い分けているそうです。無駄がありません。

f:id:shimonof13:20190220221404p:plain

 次に見せていただいたのが洗米と浸漬の作業です。蔵人さんがリズム良く次々とお米を洗って限定給水を行っていました。この蔵で使用している機械は単に購入したものを使うだけでなく、後藤さん自らが改良され使われています。見学が終わった後で尋ねたのですが、後藤さんは機械系のご出身ではなく、農学系の卒業で、機械に関しては仕事をする上で覚えられたとのこと。後藤さんは、いろんな業者さんが見えた際にじっと張り付いて見られるそうです。そのようにして覚えられたのですね。実は私も同様のことをしています(^_^)

f:id:shimonof13:20190220221337p:plain

 そして次に「醴泉吟醸蔵」の札がかかる仕込みに使われているタンクが並ぶ部屋に案内され造りに関するお話を聞きました。ここで聞いた話で玉泉堂では基本的に酵母は9号酵母を使用されています。日本醸造協会から配布される同じ種類の酵母でも実はその年により違いがあるため、蔵として味のブレが出ないようにするため、毎年協会から酵母を購入しているのではなく、9号酵母を低温で保管し、必要な分を出して使用しているとのこと。そこまでして、味の安定性を求めている蔵は初めて見聞きしました。

f:id:shimonof13:20190220221442p:plain


 タンクの上側で醪(もろみ)を見ていると、その香りにうっとりとします。造りの時期の酒蔵の特典ですね(^_^)タンクの上から手のひらで香りを引き寄せると、なんとも言えないかぐわしさです!!

f:id:shimonof13:20190220221615p:plain

 タンクの間には、蒸されたお米を冷やすための専用の台がありました。初めて見るタイプでしたので、尋ねるとやはり自家製とのこと。 

f:id:shimonof13:20190220221651p:plain

f:id:shimonof13:20190220221715p:plain

 タンクの横から上に行く途中で蒸し器を見せていただきました。左側の写真の装置から管を右側の写真の甑(こしき)の下部にあるジョイント部につないで蒸気を送るようになっています。蒸ムラの防止に最下部にはダミー米が敷かれていて、蒸気を送り始めると、所々、お米の間から蒸気が漏れて噴き出してくるため、お米は一気に入れるのではなく、蒸気が噴き出してきた部分にお米を足していき、蒸気が全体に行きわたるようにしているとのことでした。

 

f:id:shimonof13:20190220221542p:plain

 そして、室の中に入れていただきました。造りの最中に室の見学をさせていただける機会は滅多にありません。これまでも蔵見学で室を見せていただいたことはありますが、入り口から軽く覗く程度や、造り前の時期であったりしました。ただ、やはり「一麹、二酛、三造り」と言われる通り「麹造り」は重要な過程なので上履きを二度履き替えるという、「雑菌を入り込ませないぞ!」というしっかりした管理で、もちろん各所で手洗い、アルコール消毒をしたのは当然です。

 

f:id:shimonof13:20190220221738p:plain

 次に瓶詰ライン、瓶燗を見せていただきました。昨年、火入れという作業には温度を上げた後、冷却することが重要ということを知ったのですが、ここ玉泉堂ではまさにそれを実践されていました。

 

f:id:shimonof13:20190220221758p:plain

 そして、酒造り工程の終着駅、保管用巨大冷蔵庫の中に入って見せていただきました。ここでは極端に低い温度にせずに熟成されているそうです。パレットに積まれたお酒の箱がラップで巻かれているのは冷風が直接当たって「焼ける」のを避けるためだそうです。低温であっても強い温度変化はお酒にとってはよろしくないのですね。

 

f:id:shimonof13:20190220221816p:plain

 最後に事務所に戻って、試飲をさせていただきました。醴泉は火入れの商品しかないので、ここでしか味わえない搾りたての醴泉になる「生酒」、「蘭奢待」、「純吟 雄山錦」、「特別本醸造」の4種です。蔵元、後藤さんと酒談義をしながら堪能させていただきました。

 

f:id:shimonof13:20190220221833p:plain

 蔵を出た後、蔵元もよく食べに行かれるという「自由軒」でランチをいただきました。蔵元お薦めの「とんてき」を堪能しました。ボリューム満点で、おいしかたったです。

 

f:id:shimonof13:20190220222013p:plain

 造りの忙しい時期に見学をさせていただきありがとうございました!!
 明さん、お誘いいただきありがとうございました。 

 

にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ
にほんブログ村