なんでもシステム管理者(日本酒大好き!)

システム管理者兼何でも屋をやってます!日本酒にはこだわりを持ってます。多趣味ですが、その時間がなかなか取れないという悩みが・・・

日本酒の種類 その弐

「 日本酒の種類 その壱」からの続きです。

 

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 『純米系』には「純米酒」、「特別純米酒」、「純米吟醸」、「純米大吟醸」があり、
本醸造系』には、「本醸造造酒」、「特別本醸造酒」、「吟醸酒」、「大吟醸酒」があります。

  以前のルールでは「純米酒」は精米歩合が70%以上となっていましたが、現在では精米歩合の規定がなくなり、80%でも90%でも「純米酒」と名乗れるよ うになっています。以前は米だけで造っているのに「純米酒」と名乗れずに「米だけの酒」という表現をしていたお酒もありました。(当時のなごりで今もある かもしれません。)

 〇「特別純米酒」は精米歩合が60%以上で、なにか特別な造りをしていることが前提でその内容を記す必要があります。

 〇「純米吟醸酒」は精米歩合が60%以上の純米酒吟醸つくりであること、「純米大吟醸酒」は精米歩合が50%以上で吟醸つくりであるお酒となります。

  ここで、「おや?」と疑問が出るかも知れません。それは、「特別純米酒」と「純米吟醸酒」の精米歩合が同じだからです。つまり日本酒の種類は精米歩合だけ で決まるのではなく、その造り、酵母だったりその他諸々の技術があるので、単に精米歩合だけで決まる訳ではないという事なんです。

 一般的なランクとしては

純米酒」→「特別純米酒」→「純米吟醸酒」→「純米大吟醸酒

と なるのですが、上記の規定を満たしているからと言って、そう名乗っているとは限らないのです。つまり、精米歩合が50%であっても「特別純米酒」として販 売されている場合もありえます。ルールとしては、「そう名乗っても良い」としているだけで「そう名乗らなければならない」訳ではないのです。各蔵には各蔵 のポリシーがあるので、「うちのこの酒は50%まで磨いているけど、純米で出す。」とされている場合もあるのです。

 同じ蔵のお酒であれ ば、概ね上記のランクで価格が上がって行きますが、蔵が違うとこっちの蔵の純米大吟醸は1升瓶で¥2600だけど、むこうの蔵の純米酒は¥3200という 逆転現象も良くあるのです。また、ランクが上だからと言って、おいしいとは限りません。お酒は嗜好品ですので、¥5000のお酒よりも¥2500のお酒の 方がおいしく感じる、ということもあるのです。また個人的には端麗できれいなお酒よりも、ほどよい香りを持ちつつ、旨みを持ったタイプが好きですので、米 を磨きすぎるのは???と疑問を持っています。飲んでみないと分からないのですが、好みのタイプとしては、「純米酒」、「特別純米酒」、「純米吟醸酒」辺 りが多いと思います。ジャンルは違えど、酒造りをする蔵人も私も技術屋なので、米をとことんまで磨いて、どんな酒が醸されるんだろう?という興味は分かる のですが、そこは飲み手があってのお酒では?とも思います。また、中には高精白を全面的に謳って、『xx%精米』とラベルに大きく書いて、それがさもおい しいお酒の代名詞であるかのお酒もありますが、私はあまりそういうのは好きではありません。むしろ50%精米でありながら表のラベルには「純米酒」と書か れていて、飲んでみて「ん??旨いなこれ!」と感じ、裏のラベルの小さい字(老眼で見づらい・・・(^_^;)を見て、初めて50%精米と分かる、そんな お酒、蔵の方が「粋」だと思います。
 ちなみに山形の「梅川」という酒屋さんでも「精米歩合は高いほど良い?」という記事が書かれており、造り手側でも高精白を疑問視する向きはあるようです。

 日本酒豆知識|精米歩合は高いほど良い? 【土蔵貯蔵】山形の地酒うめかわ

広島の亀齢酒造「辛口」純米原酒八捨精米歩合80%と低精白ですが「旨い!」しかも「安い!」んです。なんと1升瓶で¥1800!!今販売されているのは火入れされた物ですが、私が飲んだの は生でした。私はどちらかと言うと『生派』ですが、このお酒は火入れでもおいしいかと思います。(初めて酒屋さんで見た時は値札のつけ間違いかと思いまし た(^_^)

 次に『本醸造系』です。

 〇「本醸造酒」は精米歩合が70%以上で、添加するアルコールが10%以下のお酒になります。

 〇「特別本醸造酒」は精米歩合が70%以上で、添加するアルコールが10%以下、かつなにか特別な造りをしていることが前提でその内容を記す必要があります。
 ※「特別純米酒」は比較的良く見かけるのですが、実は「特別本醸造酒」というのは実は見た覚えがありません。もっとも私自身が本醸造系に着目していないせいもあるかと思います。

 〇「吟醸酒」は精米歩合が60%以下でで吟醸つくりであり、添加するアルコールが10%以下のお酒です。

 〇「大吟醸酒」は精米歩合が50%以下でで吟醸つくりであり、添加するアルコールが10%以下のお酒です。

 この『本醸造系』の「吟醸酒」と「大吟醸酒」なんですが、分かりやすくするために「本醸造吟醸酒」、「本醸造大吟醸酒」としてくれたらいいのになぁと個人的には思うのですが、長ったらしいし何となくイメージが悪いのでムリでしょうね!

 個人的にはアル添は好みではありませんが、「菊姫」のように吟醸系はアル添しか造らない!!と宣言しているところもあるので、アル添も極めればメリットがあるのでしょう。(三増酒は論外ですが!)ちなみに私が「菊姫」で好みなのは「山廃純米」です。

 また江戸時代でもアル添はあったのですが、そこで使用されていたのは米から造られた焼酎で、「柱焼酎」という技法でした。つまり、現代の「純米酒」という規格には合わないのですが、まさしく米だけで造られたお酒でした。なんと、そんなお酒が現代にもありました。そのお酒は「蓬莱泉 米由来しぼりたて 生酒」なんと1升瓶で¥2,200なり!!「酒仙洞 堀一」さんで紹介されているのですが、使われている柱焼酎も自社製とのこと。また、これ以外のアル添酒でも使用しているアルコールは分け分からん醸造用アルコールではなく、全て自社製の焼酎とのことです。関谷醸造さん、素晴らしい!!
それに、なんとなく私もそんな気がしていたのですが醸造用アルコールを使った酒は悪酔いしやすいようです。(どんないい酒でも度を越えれば・・・(^_^;)

         「その参」に続く・・・