以前から行きたかった「日本酒に恋して」の原作者の千葉 麻里絵さんのお店「GEM by moto」にようやく行ってきました。
このマンガには麻里絵さんの体験が書かれており、その中でお酒を味わうシチュエーション(ペアリング)が描かれているのですが、それを体験せねば!!ということでまずはブルーチーズハムカツとどぶろくのセットを頼みました。第1話で登場するペアリングです。初めに上澄みを少し入れていただき、その後で混ぜたものを入れていただきました。この飲み方好きなんですよね、家でにごりタイプを飲む際や、ワガママ(^^;が言えるお店では、このやり方で味わっています。一種類のお酒で二度おいしい!「うすにごり」は結構飲んでいるのですが「どぶろく」は余り飲んでいなかったのですが、ハムカツとの組み合わせはいいですね。揚げ物の強い味を流しきるのではなく、調和するという感じでしょうか?まさしくソースとしての「どぶろく」でした。家呑みでも試してみたいと思います。
遠野の宿が醸した「どぶろく・スタンダード」とハムカツの写真です。ハムカツは4切れあったのですが初めに写真を撮るのを忘れて気が付いたら1切れだけ残ってました(^_^;
ちなみに、お通しは「クエのお刺身」、お通しにお刺身が出るのも珍しいのですが「クエ」が出るとは!魚の名前は知っていましたが、食べるのは初めてでした。白身でありながら淡泊過ぎず旨みがあり、私好みの魚(肴)でした。
次にいただいたのは、「新政エクリュGEM by motoバージョン」です。このお店でしか飲めない新政です。通常のエクリュと何が違うかと言うと栓にかかったラベルによると「桶仕込元禄酒オーク樽貯蔵」とあります。おそらくベースの造りは「エクリュ」なのですが、木桶で醸して、造りが昨年だったか一昨年だったかの頒布会の元禄酒に準じていてオーク樽で貯蔵したものと思われます。
今までも何度かエクリュはいただいていますが、このエクリュはこれまで飲んだエクリュよりも深い味わいを感じました。29BYのエクリュ自体がこれまでよりも良いという評判を見たことがありますが、この深みは元禄仕込みとオーク樽のなせる技、そんな気がしました。
この「GEM by motoオリジナルのエクリュ」を飲みたくなったエピソードです。
次に私の好みを「旨みがあって、酸があって・・・甘いの好きです。」という感じで伝え、それに合う料理をお任せで頼んだものです。
お酒は「南遷 山廃純米」、初めて目にする銘柄です。結構いろんなお酒を飲んだつもりですが、まだまだ知らないお酒があります。これからどんなお酒に巡り合えるか楽しみです(^_^)
料理は「馬肉とブルーベリー、エシャレット、ハラペーニョのタルタル」という未知のものでした!お酒は山廃純米らしくしっかりとした味わいでした。初めて食する「タルタル」を興味深く合わせると・・・合うんですよね~、合うものを頼んだので当然なのですが、まさかブルーベリーを肴に呑むとは!!でも、今までにも「津島屋外伝 父なるライン」と濃厚チーズケーキを合わせたりしていますので、それを思えば、そう不思議な組み合わせでもありませんね!
次はまた「日本酒に恋して」を読んで飲みたくなったパターンです。銘柄ではなく「パターン」と書いたのは、下記のエピソードを読んでいただければ分かるかと思いますが、燗を付けて、その後急いで冷ます!という「技」を味わいたかったんです。そして、その技の対象のお酒は、なんと先ほどいただいた「GEM by motoオリジナルのエクリュ」でした。そして、飲んでみると・・・確かに先ほどとは味わいが異なるんです!そう、ブドウ、葡萄、ぶどうを感じました。増田晶文さんの著書「うまい日本酒をつくる人たち ~酒屋万流」のシーンを思い出しました。増田さんと佐藤祐輔さんが一緒に呑まれていて、祐輔さんが瓶をぎゅっと抱きしめて温度を上げて、この温度帯でも今の新政は旨いよ!とアピールしたシーンです。祐輔さんが抱きしめたのと同じように愛情をこめて、麻里絵さんが絶妙のタイミングで燗付、冷却してくれたのかと思います。
pachikuri.jp 次にいただいたのが「萩の露」です。今までも「萩の露」はいただいたことはありますが、正直に言うと特に印象には残っていませんでした。しかも、麻里絵さんには、「辛口は好みではない」と伝えていました。しかし、このお酒の裏ラベルを見ると「辛口」とあります。おそらく、今日いただいたお酒の感想、私とのやり取りの中から、「私の好みに合うお酒」としてチョイスしてくれたのでしょう。そのチョイスは正解でした。旨い、おいしいんです。実はこれまでも自分で購入し気に入ったお酒でも「辛口」と称するお酒はありました。お酒の味わいって、単純に甘いか辛いかじゃないんですよね。色んな要素が絡み合って味わいが醸されているので、単純な表現やスペックだけでは、好みかどうかは推し量れないかと思います。
次のお酒も「日本酒に恋して」を読んで飲みたくなったお酒です。麻里絵さんと久慈さんのやり取りがサイコ-!!「ここに来たからには、飲まねば!」といただきました。今まで南部美人は余り飲んでいなかったのですが、生酛の良い面が素直に味わえるお酒でした。生酛のお酒はものによっては、温度を上げるといいのですが冷酒だと「なんか重いし、くどい」と感じる場合があるのですが、この「生酛 南部美人」は生酛の造りがいい塩梅の旨みとして活きているかと思います。
それにしてもマンガの中の久慈さんが麻里絵さんからのメールを受け取った際の顔がいいですね、マンガではなく実際のその時のお顔を見て見たかったです(^_^;
pachikuri.jp 次のお酒は私の好きな酒米「雄町」を醸した「上喜元 純米吟醸 27BY」お店で2年以上氷温貯蔵されたものかと思います。私の素人感覚ですが、しっかりした純米造りのお酒は熟成に耐える、そう簡単には老ねない。そして、低温で貯蔵すると、より確実にいい塩梅に熟成する。そんな私の持論を見事に体現してくれたかのような味わいでした。
次にいただいたのがヘビー級のお酒です。これは、私の日本酒と料理のペアリングの一番明確な体験として、農口尚彦杜氏が菊姫に在籍していた頃の「菊姫 山廃純米」と「雲丹(うに)」を上げました。「そういうのありませんか?」と出していただいたのが「開春 木桶熟成 寛文の雫(かんぶんのしずく)」と「うにいか」だったんです。「菊姫 山廃純米」と「雲丹(うに)」のペアリングを感じたのは、30年ほど前でしたが、その時の感動は今でも覚えています。この日も新たな舌の記憶が残りました。このお酒を醸した蔵元さんや杜氏さんには怒られるかも知れませんが、このお酒を極上の出汁(だし)で割ってもかなり行けるのではないでしょうか?肴には味がしみ込んだ大根のおでんが合う気がします。
そこそこ(結構?)いただいたので、「最後のを」とお願いしたお酒が「山形正宗 自家栽培米出羽燦々 28BY生もと造り」です。山形正宗は今までもいただいて好みに合うことを知っていましたので、安心してラストのお酒として美味しくいただきました。このお酒の写真、裏ラベルしか撮っていなかったかな??と悩んでいるうちに思い出しました。このラベルしかなかったんです。これもGEM by motoオリジナルなのでしょうかね。
へべれけにはなっていませんが、気持ちよく酔わせていただきました。
麻里絵さん、ごちそうさまでした(^_^)
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